こんにちは。行政書士の稲福です。
外食業界では、特定技能外国人の採用をめぐって大きな混乱が起きています。
これまで、外食業分野では、海外から新たに特定技能外国人を呼び寄せたり、国内にいる留学生や他の在留資格の外国人を特定技能1号へ変更したりすることで、人材確保を進めてきた企業も多かったと思います。
しかし、外食業分野では、特定技能1号の在留者数が受入れ見込数に近づいたことを受け、2026年4月13日以降、在留資格認定証明書交付申請は不交付、在留資格変更許可申請も原則不許可という運用になっています。もっとも、すでに外食業分野の特定技能1号として在留している方の転職に伴う申請は、通常どおり審査されるとされています。
つまり、現在の外食業分野で現実的に採用できるのは、主にすでに外食業分野の特定技能1号で在留している転職希望者です。
しかし、ここで大きな問題があります。
外食業分野で初めて特定技能外国人を受け入れる企業は、食品産業特定技能協議会への加入が必要です。農林水産省の案内では、協議会加入は在留諸申請を行う前に必要とされており、現在は加入証の発行まで3か月以上かかるとされています。
さらに、協議会加入後に在留資格変更許可申請を行っても、審査に時間がかかります。実務上は、変更申請にも3か月程度を見込む必要があります。
そうなると、せっかく転職希望の特定技能人材を採用できそうになっても、協議会加入で約3か月、在留資格変更で約3か月、合計で約6か月働いてもらえないという事態が起こり得ます。
このときに問題になるのが、特定活動、いわゆる「特定技能1号移行準備」の在留資格を使えるのかという点です。
- 外食業分野の特定技能1号で何が停止されているのか
- 現在、外食特定技能で採用できる人材の考え方
- 初めて受け入れる企業に協議会加入が必要な理由
- 協議会加入と在留資格変更で約6か月かかる可能性
- 特定活動「特定技能1号移行準備」を使える可能性
- 特定活動が使えるケース・使えないケース
- 外食企業が転職希望人材を採用する際の実務上の注意点

外食業分野では、新規受入れが大きく制限されている
まず、外食業分野の特定技能1号について、現在の状況を整理します。
出入国在留管理庁は、2026年3月27日、外食業分野における特定技能1号の在留者数が、2026年2月末時点で約4万6千人に達し、2026年5月頃には受入れ見込数である5万人を超える見込みであると公表しました。
そのため、2026年4月13日以降、外食業分野では、次のような取扱いになっています。
つまり、外食業分野では、これまでのように海外から新規で呼び寄せる方法や、留学生を新たに特定技能外食へ変更する方法は、原則として難しくなっています。
その一方で、すでに外食業分野の特定技能1号として在留している人の転職については、引き続き採用の可能性があります。
現在の外食採用は「転職希望人材」が中心になる
この運用を踏まえると、外食企業が今後、特定技能外国人を採用する場合、中心になるのは転職希望者です。具体的には、すでに日本国内で外食業分野の特定技能1号として働いている外国人が、別の外食企業へ転職するケースです。
この場合、本人はすでに外食業分野の特定技能1号として在留しています。そのため、海外からの新規呼び寄せや、他の在留資格からの新規変更とは扱いが異なります。
入管庁の公表資料でも、2026年4月13日以降であっても、外食業分野で特定技能1号として在留する方からの転職等に伴う変更申請は、通常どおり審査するとされています。
したがって、今後の外食特定技能採用では、国内在留の外食特定技能人材をいかに採用するかが重要になります。
しかし、ここで問題になるのが、受入れ企業側の準備です。
初めて受け入れる企業は、協議会加入が必要
外食業分野で特定技能外国人を受け入れる場合、受入れ企業は食品産業特定技能協議会への加入が必要です。
農林水産省の案内では、特定技能外国人の受入れにあたり、出入国在留管理庁への在留諸申請を行う前に、協議会へ加入することとされています。つまり、初めて外食業分野で特定技能外国人を受け入れる企業は、まず協議会加入を進めなければなりません。
ここで重要なのは、協議会加入には時間がかかるということです。
農林水産省のページでは、現在、加入申請が非常に混み合っており、必要書類を送付してから加入証の発行まで3か月程度かかると案内されています。
また、協議会加入申請は、フォーム入力後、事務局からのメールに対して必要書類を送付し、その後、審査が進む流れです。現在は審査開始まで数週間程度、加入証の発行まで最終的に3か月以上かかるとも説明されています。
そのため、初めて特定技能外国人を受け入れる外食企業の場合、採用候補者が見つかっても、すぐに在留資格変更申請に進めない可能性があります。
初めて受入れをする企業は合計で最大の6か月の空白が生じる可能性?
実務上、大きな問題となるのが、転職希望の外食分野の特定技能人材を、このタイミングで企業が初めて受け入れる場合です。
雇用条件についてはすでに合意しており、本人も転職を希望している。しかし、受入れ企業がまだ外食業分野の協議会に加入していない。このようなケースでは、すぐに在留資格変更許可申請を行うことができません。
まず、受入れ企業において協議会への加入手続を行う必要があり、加入完了までには通常2〜3か月程度を要することがあります。その後、協議会加入証を取得したうえで、特定技能1号への在留資格変更許可申請を行うことになります。
さらに、在留資格変更許可申請についても、審査状況によっては数か月を要します。特に外食業分野では申請が集中していることもあり、変更許可までに2〜3か月程度を見込む必要があるケースもあります。
そのため、初めて特定技能外国人を受け入れる企業では、協議会への加入手続から在留資格変更許可まで、全体として相当の期間を要する可能性があります。
そうすると、次のような流れになります。
特に、協議会加入で3か月、変更申請で3か月かかると、合計で約6か月です。
この間、企業としては採用したい人材がいるにもかかわらず、実際に働いてもらうことができない。外国人本人としても、転職先が決まっているのに働けない。
この空白期間が、外食業界では大きな問題になります。
ここで問題になるのが「特定活動」を使えるか
このような場合に検討されるのが、特定活動「特定技能1号移行準備」です。
特定活動「特定技能1号移行準備」とは、特定技能1号への移行を予定している外国人について、必要書類の準備などに時間がかかる場合に、一定の要件のもとで認められる在留資格です。
この特定活動が認められれば、特定技能1号への変更許可が出るまでの準備期間中、予定されている受入れ機関で、特定技能1号で従事する予定の業務と同様の業務に従事できる可能性があります。
一般的には、特定技能1号への変更申請に必要な書類が在留期限までに揃わない場合などに使われる制度です。在留期間は現在、6か月とされる運用が一般的で、就労可能な特定活動として整理されています。
ただし、外食業分野については、2026年4月13日以降の受入れ停止措置があるため、通常の特定活動と同じように考えることはできません。
外食業分野では、特定活動も原則不許可
ここが非常に重要です。
出入国在留管理庁の公表資料では、外食業分野に係る特定活動「特定技能1号移行準備」への在留資格変更許可申請について、2026年4月13日以降は原則として不許可とされています。
つまり、外食業分野では、「特定技能1号への変更が難しいなら、とりあえず特定活動にすればよい」という考え方はできません。
ただし、例外があります。
入管庁の資料では、次のような申請については、通常どおり審査するとされています。
つまり、転職等に伴う申請
2026年3月27日までに食品産業特定技能協議会の加入申請を行っているもの
このうち、外食業分野の転職実務で特に重要なのは、1つ目です。
すでに外食業分野の特定技能1号として在留している方が、外食業分野内で転職する場合には、特定活動「特定技能1号移行準備」が使える可能性があります。
一方で、3つ目の「2026年4月13日より前に受理された申請であって、2026年3月27日までに食品産業特定技能協議会の加入申請を行っているもの」という記載は、外食業分野の特定技能1号外国人の転職案件すべてに一律に適用される要件ではなく、あくまで制度変更前後にすでに動いていた申請をどのように取り扱うかという経過措置として整理するのが自然です。
つまり、この記載は、2026年4月13日以降の取扱い変更により、本来であれば新たな審査方針の対象となり得る案件について、すでに申請が受理されていたものまで一律に不利益に扱うのではなく、一定の条件を満たすものについては、従前の流れを前提に審査対象とするための調整規定と考えられます。
そのため、ここでいう要件は、主に「2026年4月13日以前にすでに申請済みであった案件」を対象としたものであり、外食業分野の特定技能1号で在留している方が、国内で別の外食業の受入機関へ転職する場合の申請すべてに対して、常に「2026年3月27日までの協議会加入申請」が必要になる、という意味ではないと考えられます。
特に、外食業分野の特定技能1号としてすでに在留している外国人が、同じ外食業分野内で受入機関を変更する場合には、基本的には国内在留者の転職に伴う在留資格変更許可申請として整理されます。この場合、確認すべき中心は、当該外国人が引き続き外食業分野の特定技能1号に該当する活動を行うのか、新たな受入機関が受入れ要件を満たしているのか、支援体制や雇用条件が適正か、という点です。
したがって、3つ目の記載をもって、国内にいる外食業分野の特定技能1号外国人の転職案件まで一律に制限されていると読むのは、やや広すぎる解釈になると思われます。
むしろ、
① 海外からの新規受入れ・新規申請に関する停止・制限の問題
② すでに受理済みの申請に関する経過措置の問題
③ 国内在留中の特定技能1号外国人の転職に伴う申請の問題
は、それぞれ分けて整理する必要があります。
このうち、3つ目の経過措置は、②の「すでに受理済みの申請」に関する取扱いであり、③の「国内転職案件」そのものを当然に排除する趣旨とは考えにくいといえます。
もっとも、外食業分野については、制度上の取扱いや運用が非常に動いている分野であるため、実務上は、申請前に必ず最新の入管・分野所管省庁・協議会の取扱いを確認する必要があります。特に、受入機関側の協議会加入状況、過去の受入実績、支援体制、雇用条件、転職理由については、通常以上に丁寧な説明が求められる可能性があります。
特定活動の更新は原則1回まで
また、出入国在留管理庁および農林水産省の案内では、外食業分野における特定活動「特定技能1号移行準備」について、在留期間の更新を案内する場合があり、その更新は原則として1回までとされています。
もっとも、これは、特定活動の在留期間中に特定技能1号への変更申請ができないという意味ではありません。特定活動の許可後、転職先企業の食品産業特定技能協議会への加入が完了し、雇用契約書、支援計画その他の必要書類が整った時点で、速やかに特定技能1号「外食業分野」への在留資格変更許可申請を行うことになります。
したがって、実務上は、特定活動の在留期間をすべて使い切ってから特定技能1号へ変更申請するのではなく、申請準備が整い次第、できるだけ早期に変更申請を行うことが重要です。
ただし、特定技能1号への変更申請を行った場合であっても、許可時点における外食業分野の受入れ人数の状況によっては、直ちに特定技能1号への変更が許可されず、特定活動の在留期間更新を案内される可能性があります。
この場合における特定活動の更新が原則1回までとされているため、注意が必要です。つまり、更新回数の問題は、特定技能1号への変更申請を行わずに特定活動のまま在留し続けることを前提としたものではありません。
必要書類が整い次第、速やかに特定技能1号への変更申請を行うことを前提としつつ、受入れ見込数との関係で直ちに許可されなかった場合に、特定活動の更新回数に上限があるという問題です。
転職希望人材は特定活動を検討できるが在留期限と審査期間に注意が必要
もっとも、すでに外食業分野の特定技能1号として在留している外国人が転職する場合であっても、特定活動「特定技能1号移行準備」を利用すれば、それだけで手続上の問題が解消されるわけではありません。
外食業分野の特定技能1号として在留している方が、転職に伴って転職先企業における特定技能1号への在留資格変更許可申請を行う場合は、通常どおり審査されます。
そのため、転職先企業の食品産業特定技能協議会への加入が完了し、雇用契約書、支援計画その他の必要書類がそろっている場合には、特定活動を経由せず、転職先企業における特定技能1号へ直接変更申請を行うことが基本です。
一方、転職先企業が初めて外食業分野の特定技能外国人を受け入れる場合など、協議会への加入や申請書類の準備に時間を要し、すぐに特定技能1号への変更申請を行うことが難しい場合には、特定活動「特定技能1号移行準備」を利用することが考えられます。
ただし、この特定活動は、あくまで特定技能1号への移行までの一時的な在留資格です。特定活動の許可後は、その在留期間をすべて使い切るのではなく、協議会への加入や必要書類の準備が整い次第、速やかに特定技能1号への変更申請を行う必要があります。
また、特定活動への変更申請自体に時間を要する可能性があるほか、その後に行う特定活動から特定技能1号への変更申請についても、審査状況によっては許可までに時間がかかる可能性があります。
したがって、特定活動を利用する場合には、本人の在留期限、協議会加入の進捗、申請書類の準備状況、特定技能1号への変更申請のタイミングを一体的に管理することが重要です。
単に「転職希望者であれば特定活動を利用できる」と考えるのではなく、特定技能1号への変更申請をいつ行えるのかをあらかじめ見通したうえで、特定活動を経由する必要があるかを判断しなければなりません。
すべての転職希望者で使えるわけではない
ここで誤解してはいけないのは、「転職希望者であれば、必ず特定活動『特定技能1号移行準備』を利用できる」というわけではない点です。現在、通常どおり審査するとされているのは、外食業分野の特定技能1号として在留している方からの申請、すなわち外食業分野内での転職等に伴う申請です。
したがって、他の在留資格で在留している方や、外食業分野以外から外食業分野への変更を希望する方についてまで、同様に特定活動が認められると考えるべきではありません。
また、外食業分野の特定技能1号として在留している外国人が転職する場合であっても、特定活動の許可を受ければ、それだけで手続が完了するわけではありません。特定活動「特定技能1号移行準備」は、あくまで転職先における特定技能1号への移行準備を行うための一時的な在留資格です。
そのため、特定活動の許可後は、食品産業特定技能協議会への加入、雇用契約書や支援計画その他の必要書類の準備を進め、特定技能1号への変更申請が可能となった時点で、速やかに申請を行うことが重要です。特定活動の在留期間をすべて使い切ってから、特定技能1号への変更申請を行うものではありません。
もっとも、特定活動への変更申請自体に時間を要する可能性があるほか、その後に行う特定活動から特定技能1号への変更申請についても、外食業分野の受入れ状況や審査状況によっては、許可までに時間がかかる可能性があります。
また、初めて外食業分野の特定技能外国人を受け入れる企業では、食品産業特定技能協議会への加入審査だけでも2〜3か月程度を要する場合があります。
したがって、特定活動を利用する場合には、本人の在留期限、協議会加入の進捗、申請書類の準備状況を確認し、いつ特定技能1号への変更申請を行えるのかを、あらかじめ具体的に見通しておく必要があります。
単に「転職希望者であれば特定活動を利用できる」と考えるのではなく、特定活動の必要性と、その後の特定技能1号への変更申請までを一体の手続として検討することが重要です。
特定活動を使う場合の実務上の流れ
外食業分野で転職希望者を採用し、特定活動「特定技能1号移行準備」の利用を検討する場合、実務上は次のような流れになります。
まず、本人が現在、外食業分野の特定技能1号で在留しているかを確認します。次に、在留カード、指定書、前職の雇用状況、在留期限、転職理由を確認します。
そのうえで、受入れ企業が食品産業特定技能協議会に加入済みかを確認し、未加入であれば速やかに加入申請を進めます。協議会加入に時間がかかる場合には、加入申請を行っていることや、手続に時間を要していることを説明できる資料を準備します。
同時に、雇用契約書、労働条件通知書、支援計画、支援委託契約、会社資料、営業許可証など、特定技能1号への変更申請に必要な資料を準備します。
本来であれば、できる限り速やかに特定技能1号「外食業分野」への在留資格変更許可申請を行うべきです。ただし、在留期限が迫っている一方で、協議会加入、支援体制の整備、申請資料の準備などに時間を要し、特定技能1号への変更申請を直ちに行うことが難しい場合には、つなぎの在留資格として、特定活動「特定技能1号移行準備」の利用を検討することになります。
ここで大切なのは、早めに動くことです。協議会加入も、在留資格変更申請も、一定の時間がかかります。採用が決まってから動き出すのでは、在留期限に間に合わない場合があります。
特に外食業分野では、受入れ上限の運用や協議会加入手続の状況により、通常よりも慎重な対応が求められる可能性があります。そのため、転職希望者を採用する場合には、本人の在留期限から逆算し、特定技能1号への変更申請と、必要に応じた特定活動の申請を早期に検討することが重要です。
特定活動を使えば、就労開始までの空白期間を短縮できる可能性がある?
今回の論点で重要なのは、特定活動「特定技能1号への移行準備」を利用することで、就労開始までの空白期間を短縮できる可能性があるのか、という点です。
初めて外食業分野の特定技能外国人を受け入れる企業の場合、食品産業特定技能協議会への加入手続、雇用契約書や支援計画の整備、在留資格変更許可申請の準備・審査などに一定の時間を要します。そのため、採用が決まってから実際に就労を開始できるまで、数か月単位の時間がかかることもあります。
一方、すでに外食業分野の特定技能1号として在留している転職希望者については、一定の条件のもとで、特定活動「特定技能1号への移行準備」を利用できる可能性があります。この特定活動が許可されれば、指定された範囲内で就労を開始できる可能性があるため、特定技能1号への変更許可を待つ場合と比べて、就労開始までの空白期間を短縮できることがあります。
ただし、現在外食業分野の特定技能では、受入れ見込数との関係や運用上の調整により、特定活動「特定技能1号への移行準備」の審査自体に時間を要する可能性があります。そのため、特定活動を利用すれば、必ず早く就労を開始できるとは限りません。
また、特定活動が許可された後も、最終的には転職先企業における特定技能1号への在留資格変更許可申請を行う必要があります。この特定活動から特定技能1号への変更申請についても、受入れ企業の協議会加入状況、申請書類の準備状況、外食業分野における審査状況などによっては、許可までに相当の時間を要する可能性があります。
つまり、特定活動を利用することで就労開始時期を早められる可能性はあるものの、
・特定活動への変更申請の審査に時間がかかる可能性がある
・特定活動から特定技能1号への変更申請にも時間がかかる可能性がある
・二段階の申請となるため、手続全体としては長期化する可能性がある
という点に注意が必要です。
なお、外食業分野における特定技能1号から特定技能1号への転職に伴う在留資格変更許可申請については、転職に伴う申請として通常どおり審査されます。そのため、転職先企業の協議会加入や受入れ準備が整っている場合には、特定活動を経由せず、転職先における特定技能1号へ直接変更申請を行うことが、基本的な手続となります。
特定活動は、就労開始までの空白期間を短縮できる可能性がある一方で、必ずしも迅速に許可される制度ではありません。本人の在留期限、転職先企業の協議会加入状況、申請準備の進捗、特定活動および特定技能1号への変更審査に要する期間を踏まえ、直接変更と特定活動経由のいずれが適切かを慎重に判断する必要があります。
特定活動を使う場合の注意点
特定活動「特定技能1号移行準備」を使う場合には、いくつか注意点があります。
まず、特定活動で就労できる業務は、特定技能1号で従事する予定の業務と同様の業務である必要があります。外食業分野であれば、特定技能1号「外食業分野」として予定している業務内容と整合していることが重要です。
次に、報酬についても注意が必要です。特定活動中の報酬は、特定技能1号として雇用する場合と同額であり、かつ、日本人が従事する場合の報酬額と同等額以上である必要があります。
また、特定活動で在留した期間は、特定技能1号の通算在留期間に含まれる扱いになる点にも注意が必要です。特定技能1号は通算在留期間に上限があるため、特定活動の期間も含めて、今後の在留計画を考える必要があります。
さらに、特定活動「特定技能1号移行準備」は、あくまで特定技能1号への移行準備のための一時的な在留資格です。したがって、特定活動のまま長期間働かせることを目的に利用することはできません。
外食業分野では、特定活動「特定技能1号移行準備」も原則不許可とされているため、利用できる場面は限定的です。特に、すでに外食業分野の特定技能1号として在留している方の転職等に伴う申請であること、受入れ企業側が特定技能1号への変更申請に向けて具体的に準備を進めていることが重要になります。
あくまで、特定技能1号への変更許可を目指す前提で、その準備期間中の措置として考えるべきです。
さいごに
外食業分野では、特定技能1号の受入れ上限に関する運用により、海外からの新規呼び寄せや、他の在留資格からの新規変更は、原則として難しくなっています。そのため、今後の外食特定技能採用では、すでに外食業分野の特定技能1号として在留している転職希望者の採用が、重要な選択肢になります。
しかし、初めて特定技能外国人を受け入れる企業の場合、食品産業特定技能協議会への加入が必要です。
協議会加入には一定の時間を要することがあり、その後の在留資格変更許可申請にも、資料準備や審査のための時間がかかります。その結果、採用候補者が見つかったとしても、実際に就労を開始できるまで数か月単位の空白期間が生じる可能性があります。
この空白期間を埋める手段として、特定活動「特定技能1号移行準備」を検討できる場合があります。
ただし、外食業分野では、特定活動「特定技能1号移行準備」も原則不許可とされています。例外的に、すでに外食業分野の特定技能1号として在留している方の転職等に伴う申請については、通常どおり審査される可能性があります。
つまり、特定活動は使える可能性がありますが、万能ではありません。重要なのは、本人が外食業分野の特定技能1号として在留している転職者であること、受入れ企業が協議会加入や特定技能1号への変更申請に向けて具体的に動いていること、そして、特定技能1号への移行が現実的に見込まれることです。
外食業界では、今後ますます国内在留の転職希望人材の採用競争が強まると思われます。採用候補者が見つかってから動くのではなく、協議会加入、支援体制の整備、雇用契約、在留資格手続、特定活動の可否まで、早めに確認・準備しておくことが重要です。
出入国在留管理庁申請取次行政書士
稲福 正直




















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