こんにちは。行政書士の稲福です。
ミャンマー国内の情勢を踏まえ、日本では、帰国が困難なミャンマー人について、緊急避難措置として在留資格「特定活動」への変更や在留期間の更新を認める取扱いが続いています。この措置により、技能実習や特定技能などから「ミャンマー特定活動」へ変更し、日本での在留を継続している方も少なくありません。
一方、ミャンマー特定活動は、通常の就労資格として恒久的に設けられた制度ではありません。あくまで、ミャンマーの本国情勢を踏まえた緊急避難措置です。そのため、今後の情勢や政府の判断によっては、取扱いが変更されたり、更新が認められる範囲が縮小されたり、将来的に措置自体が終了したりする可能性があります。
特に注意が必要なのは、「ミャンマー特定活動が終了する前に、特定技能へ変更すればよい」と単純に考えることです。ミャンマー特定活動から特定技能への変更は可能ですが、試験に合格し、受入れ企業が決まっていれば、必ず許可されるわけではありません。
在留資格変更許可申請では、特定技能の資格要件だけでなく、技能実習から特定活動へ変更した経緯、特定活動中の就労状況、納税状況、各種届出の履行状況なども含め、これまでの在留状況が総合的に確認されます。
本記事では、ミャンマー特定活動が将来終了する可能性を踏まえ、特定技能への変更を検討する際のポイント、特に技能実習からミャンマー特定活動へ変更した方が注意すべき点について解説します。
当事務所グループでは、外国人人材の採用相談から、在留資格許可申請、受入れ後の適正運用まで、必要に応じて一貫してサポートしております。
- ミャンマー特定活動が、恒久的な在留資格ではない理由
- ミャンマー特定活動が将来終了・縮小される可能性
- ミャンマー特定活動から特定技能へ変更するための基本要件
- 特定技能の試験に合格しても、必ず許可されるわけではない理由
- 特定活動中の就労、納税、社会保険、届出などで確認されるポイント
- 技能実習2号を良好に修了した場合の試験免除の取扱い
- 技能実習を途中で終了して特定活動へ変更した場合の注意点
- 技能実習から現在までの在留・就労経過を整理する重要性
- ミャンマー特定活動の終了が発表される前に準備すべきこと

- ミャンマー特定活動とは
- ミャンマー特定活動はいつ終了するのか
- 終了が発表されてから特定技能へ変更すればよいのか
- ミャンマー特定活動から特定技能へ変更できるのか
- 特定技能からミャンマー特定活動へ変更し再び特定技能へ変更する場合
- 特定技能の要件を満たせば必ず許可されるのか
- 特定活動中の在留状況として何を確認されるのか
- 技能実習からミャンマー特定活動へ変更した場合
- 技能実習を途中で終了した理由は確認されるのか
- 技能実習からの変更経緯と現在の説明を一致させる
- 良好に修了した場合と途中で終了した場合の違い
- 特定技能への変更前に確認しておきたい資料
- 申請前に時系列表を作成する
- ミャンマー特定活動が終了する前に取るべき対応
- 受入れ企業も過去の経緯を確認する必要がある
- 「特定技能に変更できる」と断定しない
- まとめ
ミャンマー特定活動とは
ミャンマー特定活動とは、ミャンマー国内の情勢を踏まえ、帰国が困難なミャンマー人に対して認められている緊急避難措置です。
正式な在留資格の名称は「特定活動」ですが、実務上は、一般的な特定活動と区別するために、「ミャンマー特定活動」「ミャンマー緊急避難措置」などと呼ばれることがあります。
特定活動は、法務大臣が個々の外国人について特に指定する活動を行うための在留資格です。したがって、在留カードの表面に「特定活動」と記載されていても、すべての人が同じ活動を認められているわけではありません。
具体的にどのような活動や就労が認められているかは、原則として、旅券に添付された指定書の内容によって確認します。ミャンマー特定活動で就労している場合も、
・どの範囲で就労が認められているか
・就労時間に制限があるか
・どのような活動を前提として許可されているか
について、指定書を確認する必要があります。
ミャンマー特定活動はいつ終了するのか
現時点で、出入国在留管理庁から、ミャンマー緊急避難措置の一律の終了日は公表されていません。そのため、「2027年に必ず終了する」「次回の更新が最後になる」などと断定することはできません。
一方で、この措置は、本国情勢を踏まえた緊急避難措置です。一般的な就労資格のように、恒久的な人材受入れ制度として設けられたものではありません。
今後、次のような事情によって、運用が変更される可能性があります。
・ミャンマー国内の政治・治安情勢の変化
・帰国可能性に関する日本政府の判断
・新規の変更申請に関する取扱いの変更
・在留期間更新の審査方針の変更
・技能実習生などに対する特例の見直し
・就労可能な特定活動の範囲の見直し
実際に、技能実習を修了せず、ミャンマー緊急避難措置に基づく特定活動への変更を希望する方については、すでに取扱いの見直しが行われています。このことからも、現在の運用が将来もそのまま続くとは限りません。
終了が発表されてから特定技能へ変更すればよいのか
ミャンマー特定活動が終了する可能性を考えると、「終了が発表されたら、特定技能に変更すればよい」と考える方もいるかもしれません。
しかし、実務上は、終了の発表を待ってから準備を始めることはおすすめできません。特定技能へ変更するには、外国人本人と受入れ企業の双方について、複数の要件を整える必要があります。
例えば、次のような準備があります。
・特定技能評価試験の合格
・日本語試験の合格
・試験免除の対象となる技能実習歴の確認
・特定技能の受入れ企業の確保
・雇用契約の締結
・報酬額や労働条件の確認
・分野別協議会への加入
・特定技能外国人支援計画の作成
・登録支援機関との支援委託契約
・受入れ企業の社会保険、税、労働関係法令の履行確認
・本人の在留状況や納税状況の確認
受入れ企業が決まっていても、必要書類の準備や協議会加入などに時間がかかることがあります。また、在留資格変更許可申請を提出した後も、入管による審査があります。
ミャンマー特定活動の終了や更新制限が発表された後に多くの方が一斉に動けば、求人の確保や申請準備が難しくなる可能性もあります。
したがって、今後も日本で働く意思があり、特定技能などへの変更が可能な方は、現在の在留期限に余裕がある段階から準備を始めることが重要です。
ミャンマー特定活動から特定技能へ変更できるのか
ミャンマー特定活動から特定技能1号への在留資格変更許可申請を行うことは可能です。ただし、「申請できること」と「許可されること」は同じではありません。
特定技能への変更では、まず、希望する特定産業分野について、特定技能の要件を満たす必要があります。一般的には、次のいずれかによって技能水準と日本語能力を証明します。
希望する特定技能分野の技能評価試験と、必要な日本語試験に合格する方法です。
介護分野では、これらに加えて「介護日本語評価試験」への合格が必要です。
技能実習2号を良好に修了している場合は、一定の要件を満たすことで、技能試験や日本語試験が免除されます。
通常は「技能実習2号を良好に修了した者」には該当しないため、原則として技能試験と日本語試験への合格が必要です。
特定技能からミャンマー特定活動へ変更し再び特定技能へ変更する場合
ミャンマー人の中には、一度「特定技能1号」で就労した後、本国情勢を理由として在留資格「特定活動(ミャンマー緊急避難措置)」へ変更し、その後、再び特定技能への変更を希望する方もいます。このようなケースでも、在留資格変更許可申請を行うことは可能です。
しかし、「以前、特定技能だったから問題なく戻れる」というものではありません。再度の特定技能への変更では、現在の特定技能制度の要件を満たしていることはもちろん、特定活動中の在留状況についても総合的に審査されます。
具体的には、次のような点が確認される可能性があります。
☑特定活動中に指定書の範囲内で適正に就労していたか
☑転職や退職に伴う届出を適切に行っていたか
☑住民税や社会保険料などを適切に納付していたか
☑長期間の無職期間がないか
☑特定活動へ変更した経緯と、今回の申請内容に矛盾がないか
☑受入れ企業が特定技能所属機関として必要な基準を満たしているか
また、一度特定技能として働いていた場合であっても、在留資格変更許可申請では、現在の在留状況や受入れ企業の状況を含めて改めて審査されます。したがって、以前特定技能だったから、再び特定技能になるのは簡単」と考えるのは適切ではありません。
再申請の前には、特定活動へ変更した経緯、現在までの就労状況、各種届出や納税状況などを時系列で整理し、申請内容との整合性を確認しておくことが重要です。
特定技能の要件を満たせば必ず許可されるのか
特定技能評価試験と日本語試験に合格し、受入れ企業が決まっていても、在留資格変更が必ず許可されるわけではありません。在留資格の変更は、申請人が希望する新しい在留資格の要件だけで機械的に判断されるものではありません。
入管法上、在留資格変更許可は、法務大臣が変更を適当と認めるに足りる相当の理由がある場合に許可されます。その判断では、次のような事項が総合的に考慮されます。
・新しい在留資格に該当する活動を行うか
・外国人本人が必要な技能・日本語能力を有しているか
・受入れ企業が特定技能所属機関としての基準を満たしているか
・報酬額や労働条件が適正か
・これまでの在留状況が良好か
・認められた範囲を超える就労をしていないか
・必要な届出を適切に行っているか
・納税や社会保険料等の義務を履行しているか
・申請内容や過去の経歴に虚偽や矛盾がないか
つまり、特定技能の試験合格は、変更許可を受けるための重要な要件ではありますが、それだけで許可が保証されるものではありません。
特定活動中の在留状況として何を確認されるのか
ミャンマー特定活動から特定技能へ変更する場合、特定活動中に適正な在留・就労をしていたかが重要になります。
出入国在留管理庁の「在留資格の変更、在留期間の更新許可のガイドライン」では、在留状況、素行、納税義務等の履行、入管法上の届出義務の履行などが判断要素として示されています。
特に注意したいのは、次の事項です。
指定書で認められた活動を行っていたか
特定活動で認められる活動内容は、指定書によって定められています。指定書で就労が認められている場合でも、許可された範囲を超える働き方をしていなかったか確認される可能性があります。
在留カードだけを見て判断するのではなく、指定書を確認する必要があります。
退職や転職に関する届出を行っていたか
所属機関との契約が終了した場合や、新たな機関と契約を締結した場合などには、在留資格や活動内容に応じて、入管への届出が必要になることがあります。
勤務先を変更しているにもかかわらず、必要な届出をしていない場合は、申請前に状況を整理する必要があります。
住民税を納付しているか
納税義務がある場合は、その義務を適切に履行していることが求められます。出入国在留管理庁のガイドラインでは、高額または長期間の未納など、悪質な未納が判明した場合は、在留資格変更や更新の審査で消極的な要素として評価されることが示されています。
単に申請直前に支払えば、これまでの未納がすべて問題にならなくなるとは限りません。未納がある場合は、納付状況や未納に至った事情を確認する必要があります。
健康保険料などを納付しているか
国民健康保険料など、法令上納付することとされているものについても、高額または長期間の未納がある場合は、消極的に評価される可能性があります。
会社の社会保険に加入すべき期間に加入していなかった場合は、本人だけでなく、勤務先側の手続状況も確認する必要があります。
長期間無職になっていないか
特定活動中に長期間働いていない期間がある場合は、
・その期間にどのように生活していたか
・求職活動をしていたか
・生活費をどのように確保していたか
・なぜ就労していなかったか
などを説明する必要が生じることがあります。
無職期間があることだけで直ちに不許可になるとは限りませんが、合理的な説明と資料を準備することが重要です。
申請内容に虚偽や矛盾がないか
技能実習から特定活動へ変更した際の説明と、今回の特定技能への変更理由が大きく矛盾している場合は注意が必要です。例えば、技能実習を継続できない理由として説明した内容と、実際の就労経過が一致していない場合などです。
過去の申請内容、履歴書、技能実習歴、勤務先、退職日などは、時系列で整理する必要があります。
なお、入管の公式ガイドラインにおいても、在留資格の変更・更新において在留状況や納税義務等の履行が判断要素となり、高額・長期間の税や国民健康保険料等の未納は消極的に評価されることがあるとされています。
技能実習からミャンマー特定活動へ変更した場合
技能実習からミャンマー特定活動へ変更した方は、技能実習をどの段階で終了したかによって、特定技能への移行方法が異なります。
特に、技能実習2号を良好に修了してるケース、技能実習を途中で終了したケースを分けて考える必要があります。
技能実習2号を良好に修了した場合
技能実習2号を良好に修了した方は、技能実習の職種・作業と、希望する特定技能の分野・業務区分に関連性がある場合、技能試験と日本語試験が免除される可能性があります。
例えば、飲食料品製造に関係する技能実習を良好に修了し、対応する特定技能「飲食料品製造業」へ変更する場合などです。ただし、単に技能実習を一定期間行っただけでは足りません。「良好に修了した」と認められることが必要です。
また、技能実習の職種・作業と、特定技能で従事する業務との対応関係も確認されます。技能実習を修了した後にミャンマー特定活動へ変更していた場合でも、その後の特定活動中の在留状況に問題があれば、特定技能への変更審査に影響する可能性があります。
したがって、「技能実習を修了しているから必ず許可される」ということではありません。
技能実習を途中で終了した場合
技能実習を修了せず、途中でミャンマー特定活動へ変更した方は、より慎重な確認が必要です。技能実習2号を良好に修了していない場合は、原則として、技能実習修了による試験免除を利用できません。
そのため、希望する特定技能分野について、技能評価試験と日本語試験に合格する必要があります。さらに、試験に合格したとしても、技能実習を途中で終了した理由や、その後の在留状況が確認される可能性があります。
技能実習を途中で終了した理由は確認されるのか
技能実習を途中で終了したことだけで、直ちに特定技能への変更が不許可になるとは限りません。しかし、なぜ技能実習を終了したのかは、重要な確認事項となります。
例えば、次のような事情が考えられます。
・実習実施者の倒産や事業縮小
・賃金の未払い
・暴力やハラスメント
・技能実習計画と異なる作業への従事
・重大な労働条件違反
・病気やけが
・家庭事情
・ミャンマー情勢への不安
・本人の都合による一方的な離職
・他社で働くことを目的とした離職
事情によって、評価や必要な説明は異なります。技能実習の継続が困難となったことについて、本人の責任ではない合理的な事情があり、監理団体や実習実施者との相談記録などが残っている場合は、その資料を提出できる可能性があります。
一方、技能実習先を辞めて別の会社で働くことだけを目的としてミャンマー特定活動へ変更したように見える場合は、変更経緯について慎重な説明が必要になります。
技能実習からの変更経緯と現在の説明を一致させる
特に重要なのは、技能実習からミャンマー特定活動へ変更した際の説明と、今回、特定技能へ変更する際の説明に矛盾がないことです。
例えば、特定活動への変更時に、「健康上の理由で技能実習を継続できない」と説明していたにもかかわらず、変更直後から同種の重労働に従事していた場合は、説明の整合性が問題になる可能性があります。
また、「ミャンマーへ帰国できないため、日本で一時的に在留する」という説明で特定活動へ変更した後、実際には複数の勤務先を短期間で転々としている場合なども、就労経過を整理する必要があります。
申請前には、少なくとも次の事項を時系列で整理します。
・技能実習を開始した日
・技能実習先と職種・作業
・技能実習を終了した日
・技能実習を終了した理由
・監理団体や実習実施者との協議内容
・ミャンマー特定活動へ変更した日
・特定活動中の勤務先
・各勤務先での就労期間
・退職・転職の理由
・無職期間
・今回、特定技能へ変更する理由
これらの内容は、個別に確認するだけではなく、技能実習の開始から現在までを一つの時系列として整理することが重要です。特に、技能実習の終了からミャンマー特定活動への変更、特定活動中の就労や転職、無職期間、今回の特定技能への変更理由までが自然につながっているかを確認します。
また、本人の説明だけでなく、履歴書、在留カード、指定書、雇用契約書、退職証明書、各種届出の控えなどと照合し、勤務期間のずれや説明の矛盾、届出漏れがないかを確認する必要があります。技能実習から特定技能への変更にあたっては、次のような流れで本人の経歴と申請要件を整理します。
良好に修了した場合と途中で終了した場合の違い
技能実習からミャンマー特定活動へ変更した方について、特定技能への移行上の主な違いを整理すると、次のとおりです。
| 確認項目 | 技能実習2号を良好に修了 | 技能実習を途中で終了 |
|---|---|---|
| 技能試験 | 関連する業務区分であれば免除される可能性があります。 | 原則として合格が必要です。 |
| 日本語試験 | 良好修了が認められれば免除される可能性があります。 | 原則として合格が必要です。 |
| 技能実習終了の説明 | 修了証明や評価調書等によって修了状況を確認します。 | 途中終了の理由、経緯、本人の責任の有無などを整理します。 |
| 特定活動中の確認 | 就労、納税、届出などの在留状況を確認します。 | 在留状況に加え、技能実習から変更した経緯との整合性を慎重に確認します。 |
| 変更許可 | 試験免除の対象でも、許可が保証されるわけではありません。 | 試験合格後も、在留経過を含めた総合審査となります。 |
それぞれの経過によって必要書類や立証内容が異なるため、これまでの在留経緯を時系列で整理したうえで申請を進めることが重要です。
特定技能への変更前に確認しておきたい資料
ミャンマー特定活動から特定技能への変更を検討する場合は、受入れ企業を決めてから書類を集め始めるのではなく、まず、これまでの在留経過を確認することが重要です。
特に技能実習から変更した方については、次の資料を確認します。
技能実習に関する資料
・技能実習計画認定通知書
・技能実習の職種・作業が分かる資料
・技能検定等の合格証
・技能実習修了証明書
・技能実習生に関する評価調書
・実習実施者との雇用契約書
・監理団体の情報
・技能実習を途中で終了した場合の退職証明書
・技能実習を終了した経緯が分かる資料
ミャンマー特定活動に関する資料
・現在の在留カード
・パスポート
・特定活動の指定書
・特定活動への変更許可申請時に提出した理由書
・過去の在留資格変更・更新申請書類
・特定活動中の勤務先一覧
・各勤務先との雇用契約書
・給与明細
・源泉徴収票
・退職証明書
・所属機関に関する届出の控え
納税・社会保険に関する資料
・住民税の課税証明書
・住民税の納税証明書
・健康保険の加入状況が分かる資料
・年金の加入・納付記録
・国民健康保険料等の納付状況が分かる資料
未納がある場合は、単に証明書を提出しないのではなく、未納額、未納期間、納付状況、未納となった事情を確認する必要があります。
申請前に時系列表を作成する
技能実習からミャンマー特定活動を経て特定技能へ変更する場合は、本人の在留・就労経過が複雑になりやすいため、時系列表の作成が有効です。
・在留期間
・業務内容
・入社日
・退職日
・無職期間
・税の加入・納付状況
・社会保険の加入・納付状況
時系列表を作成することで、各期間の在留状況や就労先、退職・転職理由を明確にでき、申請内容の整合性を確認しやすくなります。
あわせて、必要に応じて各経緯を裏付ける資料を準備することが重要です。
ミャンマー特定活動が終了する前に取るべき対応
ミャンマー特定活動の終了日は、現時点では公表されていません。しかし、終了日が決まっていないことと、今後も更新できることが保証されていることは別です。
今後も日本での就労を希望する方は、現在の在留期限に余裕がある段階で、次の順序で準備を進めることが重要です。
受入れ企業も過去の経緯を確認する必要がある
受入れ企業にとっても、試験に合格していることだけを確認して採用を決めるのは十分ではありません。特に、技能実習からミャンマー特定活動へ変更した方を採用する場合は、次の事項を確認する必要があります。
技能実習を良好に修了したのか、途中で終了したのかによって、技能試験や日本語試験の免除可否が異なります。
在留カードに「特定活動」と記載されているだけでは、就労の可否や認められている活動の範囲を正確に判断することはできません。
本人から、これまでの勤務先、勤務期間、業務内容、退職理由などを聞き取り、履歴書や申請資料との整合性を確認します。
ミャンマー特定活動から特定技能への在留資格変更申請を行っただけでは、特定技能としての就労を開始することはできません。
これまでの在留・就労経過に不自然な点がないかを確認し、特定技能への変更申請に支障となる事情がないかを事前に整理することが重要です。
「特定技能に変更できる」と断定しない
本人が試験に合格し、企業が採用を決定しても、申請前の段階で、「必ず特定技能に変更できます」「間違いなく許可されます」と断定することは適切ではありません。
在留資格変更許可申請では、本人と受入れ企業の要件に加え、過去の在留状況や申請経歴も含めて審査されます。
特に次のような事情がある場合は、申請前の確認が重要です。
・技能実習を途中で終了している
・技能実習終了の経緯が不明確
・特定活動中に複数回転職している
・退職や転職に関する届出をしていない
・長期間の無職期間がある
・住民税や健康保険料に未納がある
・指定書の範囲を超えて働いた可能性がある
・過去の申請内容と現在の説明が一致しない
・技能実習の職種と特定技能の業務区分が対応していない
これらに該当するからといって、直ちに変更できないとは限りません。しかし、事情を確認せずに申請すると、追加資料を求められたり、審査が長期化したり、不許可となったりする可能性があります。
まとめ
☑ミャンマー特定活動は、本国情勢を踏まえた緊急避難措置であり、恒久的な就労資格ではありません。
☑現時点で一律の終了日は公表されていませんが、将来の継続や更新が保証されているわけではありません。
☑ミャンマー特定活動から特定技能への変更申請は可能です。
☑ただし、技能試験や日本語試験に合格し、受入れ企業が決まっていても、必ず許可されるわけではありません。
☑在留資格変更では、特定活動中の就労状況、納税状況、社会保険料等の納付、届出義務の履行なども確認されます。
☑技能実習2号を良好に修了し、希望する特定技能の業務との関連性がある場合は、試験が免除される可能性があります。
☑技能実習を途中で終了した場合は、原則として技能試験と日本語試験への合格が必要です。
☑技能実習を途中で終了した理由や、ミャンマー特定活動へ変更した経緯についても整理する必要があります。
☑過去の申請内容と今回の説明に矛盾がないか、技能実習から現在までの経過を時系列で確認することが重要です。
☑ミャンマー特定活動の終了が発表されてからではなく、在留期限に余裕がある段階で準備を始める必要があります。
ミャンマー特定活動から特定技能への変更は、通常の特定技能申請と比べて、確認すべき過去の在留経過が多くなる傾向があります。特に、技能実習を途中で終了している場合は、試験の合否だけではなく、技能実習終了の理由、特定活動への変更経緯、その後の就労状況を一体として確認する必要があります。
受入れ企業も、本人が試験に合格していることだけをもって採用・入社時期を決定するのではなく、在留経過と変更許可の見通しを確認したうえで、現実的な採用計画を立てることが重要です。
※本記事は、2026年7月時点で公表されている制度および運用に基づいて作成しています。ミャンマー緊急避難措置や特定技能に関する取扱いは、今後変更される可能性があります。実際の申請にあたっては、出入国在留管理庁の最新情報および個別の在留状況をご確認ください。
出入国在留管理庁申請取次行政書士
稲福 正直


















コメント