2025年末の「家族滞在」は35万2,875人となり、5年間で約1.8倍に増加しました。
今後、家族帯同が可能な特定技能2号への移行が進めば、 外国人材政策は「働く本人」だけではなく、配偶者や子どもを含めた 「家族単位の受入れ」として考える必要があります。
特に、配偶者の就労、子どもの日本語教育、地域への定着、 そして将来の永住までを一体として考えることが重要です。
家族滞在は2025年末に35万2,875人となり、前年比15.5%増。 2020年末からは約79%増加しています。
特定技能2号も2025年末には7,955人まで増加。 特定技能1号と異なり、2号では要件を満たせば配偶者・子どもの家族帯同が可能です。
一方、公立学校で日本語指導が必要な児童生徒は8万4,759人。 そのうち9,699人、11.4%は特別な配慮に基づく指導を受けていません。
また、2026年8月に公表された永住許可ガイドライン改定案では、 家族滞在の配偶者が資格外活動で得た収入を、 原則として世帯年収に合算しない考え方が示されています。
その家族が日本でどう暮らし、学び、定着するのかまで考える必要があります。
こんにちは。行政書士の稲福です。
外国人材の受入れについて議論するとき、多くの場合、「外国人労働者が何人いるのか」「特定技能外国人が何人増えたのか」という本人の人数に注目が集まります。
しかし、外国人が日本で長期間生活するようになれば、当然ながら結婚し、配偶者や子どもと一緒に生活する人も増えていきます。特に特定技能2号は、在留期間の更新回数に上限がなく、配偶者・子の帯同も可能です。
これは特定技能制度が、単純な人手不足対策だけではなく、外国人とその家族が日本で長期間生活する制度へと広がっていることを意味します。
今回は、急増している在留資格「家族滞在」の現状と、
・特定技能2号の家族帯同
・子どもの日本語教育
・家族滞在の配偶者の就労
・永住申請における世帯収入
という4つの論点から、日本の外国人受入れ政策について考えてみたいと思います。
- 在留資格「家族滞在」とはどのような制度なのか
- 家族滞在の外国人がどれくらい増えているのか
- 特定技能1号と2号で、家族帯同がどう違うのか
- 特定技能2号の増加によって、家族滞在にどのような影響があるのか
- 外国人の子どもの日本語教育で、どのような課題が起きているのか
- 家族滞在の配偶者は、日本でどこまで働くことができるのか
- 永住申請で、家族滞在の配偶者の収入がどう扱われるのか
- 外国人材政策を「本人」ではなく「家族単位」で考える必要がある理由

- 在留資格「家族滞在」とは
- 「家族滞在」は35万人を超えた
- なぜ「家族滞在」が増えているのか
- 特定技能1号と2号では「家族帯同」が大きく違う
- 特定技能2号になると「本人」だけの制度ではなくなる
- 一方で特定技能2号には「1号のような支援義務」がない
- 大きな問題になるのが「子どもの日本語教育」
- 日本語指導が必要でも約11%が十分な指導を受けられていない
- 日本語の問題は進学にも影響している
- 外国人の子どもには日本の法律上の「就学義務」がない
- 家族滞在の配偶者は週28時間まで働くことができる
- 永住申請で「家族滞在の配偶者の収入を合算しない」方針案
- なぜ家族滞在の収入を合算しないのか
- 「家計には入っているのに、永住審査の世帯収入には入らない」
- しかも永住審査は「世帯人数」をより重視する方向
- 現在すでに確定している永住ルールとは区別が必要
- 永住ガイドライン改定案は「子どもの教育」にも踏み込んでいる
- 「外国人労働者政策」と「家族政策」はもう切り離せない
- 外国人材の「受入れ人数」だけ決めても社会は回らない
- 今後必要になる4つの視点
- まとめ
在留資格「家族滞在」とは
「家族滞在」は、日本に在留する一定の外国人から扶養を受ける配偶者または子どものための在留資格です。対象となる扶養者には、例えば次のような在留資格があります。
などです。
出入国在留管理庁も、「家族滞在」をこれらの在留資格で在留する者の扶養を受ける配偶者又は子の日常的な活動を対象とする在留資格としています。
ポイントは、家族滞在そのものは就労を目的とした在留資格ではないということです。そのため、家族滞在の外国人が自由にフルタイムで働けるわけではありません。ただし、資格外活動許可を取得すれば、原則として週28時間以内で働くことができます。
在留資格「家族滞在」は、原則として就労が認められていない在留資格です。 そのため、家族滞在のまま自由にフルタイムで働くことはできません。
ただし、出入国在留管理庁から資格外活動許可を受けた場合は、 原則として週28時間以内の範囲で就労することができます。 複数の勤務先で働く場合も、合計で週28時間以内である必要があります。
資格外活動許可あり = 原則週28時間以内の就労が可能
「家族滞在」は35万人を超えた
家族滞在の在留外国人数は、近年急速に増加しています。
5年間で約15万6,000人増加し、約1.8倍となっています。
| 年末 | 家族滞在 |
|---|---|
| 2020年 | 196,622人 |
| 2021年 | 192,184人 |
| 2022年 | 227,857人 |
| 2023年 | 266,020人 |
| 2024年 | 305,598人 |
| 2025年 | 352,875人 |
2020年末から2025年末までの5年間で、約15万6,000人増加しました。増加率にすると約79%です。2025年末の在留外国人全体は412万5,395人ですから、「家族滞在」だけで全在留外国人の約8.6%を占めています。
なぜ「家族滞在」が増えているのか
大きな理由の一つは、日本で中長期的に働く外国人そのものが増えていることです。例えば「技術・人文知識・国際業務」は、2024年末の41万8,706人から2025年末の47万5,790人まで増えています。こうした家族帯同が可能な在留資格が増えれば、その配偶者や子どもである「家族滞在」も増えていきます。
ただし、ここは統計を見る際に注意が必要です。現在公表されている在留外国人統計からは、「35万2,875人の家族滞在のうち、何人が技人国の家族で、何人が留学生の家族で、何人が特定技能2号の家族なのか」という扶養者側の在留資格までは分かりません。
したがって、「家族滞在が増えている原因は特定技能2号である」と現時点で断定することはできません。しかし、今後の制度を考える上で特定技能2号は非常に重要です。
特定技能1号と2号では「家族帯同」が大きく違う
特定技能制度では、1号と2号で家族の扱いが大きく異なります。
出入国在留管理庁によると、特定技能2号は在留期間の更新を受ければ上限なく日本に在留することができ、配偶者と子どもの帯同も可能です。
そして特定技能2号外国人は、2024年末の832人から2025年末の7,955人へと急増しました。
特に2024年以降、特定技能2号への移行が急速に進んでいます。
| 年末 | 特定技能2号 |
|---|---|
| 2022年 | 8人 |
| 2023年 | 37人 |
| 2024年 | 832人 |
| 2025年 | 7,955人 |
まだ絶対数は少ないものの、今後2号への移行者が増えていけば、その後から配偶者や子どもが来日するケースも増えていく可能性があります。
特定技能2号になると「本人」だけの制度ではなくなる
ここは非常に重要です。特定技能1号の制度は、基本的には「外国人本人を日本の人手不足分野で受け入れる制度」として設計されています。しかし2号になると事情が変わります。
例えば、
という流れが可能になります。つまり、2号への移行は単なる在留資格変更ではありません。「労働者の受入れ」から「家族の受入れ」へ制度の性質が変わる瞬間でもあります。
一方で特定技能2号には「1号のような支援義務」がない
ここには少し制度上のねじれがあります。特定技能1号では、受入れ企業または登録支援機関によって、生活オリエンテーション、日本語学習の機会に関する情報提供、行政手続の支援などの支援を行う制度があります。
特定技能1号では、受入れ企業が 「1号特定技能外国人支援計画」 を作成し、外国人が日本で安定して生活・就労できるよう必要な支援を行います。
支援には、生活オリエンテーション、日本語学習の機会に関する情報提供、 行政手続への同行、相談・苦情への対応などが含まれます。 受入れ企業が自ら実施するほか、支援の全部を 登録支援機関に委託することもできます。
出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援・登録支援機関について」 →一方、特定技能2号は1号支援計画の対象ではありません。ところが2号になると、むしろ家族を日本へ呼べるようになります。本人だけではなく、
まで生活上の問題は広がります。
もちろん企業や自治体、地域団体などが自主的に支援することはできます。しかし制度として見ると、家族帯同が可能になる段階で、1号のような法定支援の仕組みから外れるという点は、今後検討すべき課題の一つだと思います。
大きな問題になるのが「子どもの日本語教育」
家族帯同が増えれば、当然ながら日本の学校に通う外国人の子どもも増えていきます。文部科学省が2026年5月に公表した調査によると、公立学校に在籍する日本語指導が必要な児童生徒は8万4,759人となり、過去最多となりました。このうち外国籍の児童生徒は7万3,313人です。
外国籍だけを見ると、2012年度の27,013人から2025年度の73,313人となっています。13年間で2.7倍近くまで増えました。
日本語指導が必要な外国籍児童生徒は、13年間で約2.7倍に増加しています。
| 年度 | 日本語指導が必要な外国籍児童生徒 |
|---|---|
| 2012年度 | 27,013人 |
| 2023年度 | 57,718人 |
| 2025年度 | 73,313人 |
日本語指導が必要でも約11%が十分な指導を受けられていない
さらに重要なのがこちらです。2025年度の調査では、日本語指導が必要な児童生徒8万4,759人のうち、9,699人、11.4%が「特別な配慮に基づく指導を受けていない」とされています。
文部科学省の会議では、その理由として、
などが指摘されています。外国人の受入れ人数を増やせば、自動的に学校の日本語教育能力が増えるわけではありません。ここは外国人材政策を考える上で非常に重要です。
日本語の問題は進学にも影響している
日本語指導が必要な児童生徒については、進路にも差があります。
2025年度調査では、
| 日本語指導が必要 | 全体 | |
| 中学生の高校等進学率 | 91.5% | 98.9% |
| 高校生の大学等進学率 | 41.2% | 75.0% |
| 高校生の中退率 | 6.4% | ― |
となっています。
つまり、日本に家族を呼ぶことができたとしても、それだけで子どもが日本社会にスムーズに適応できるわけではありません。
日本語教育をどの段階で、誰が、どの費用で提供するのか。学校だけに任せるのか。自治体が担うのか。企業にも一定の役割を求めるのか。特定技能2号の増加と家族帯同を進めるのであれば、この問題も同時に考える必要があります。
外国人の子どもには日本の法律上の「就学義務」がない
もう一つ知っておきたい制度があります。日本人の子どもの保護者には義務教育を受けさせる義務がありますが、外国人の子どもの保護者には、学校教育法上の就学義務は課されていません。
ただし、公立小中学校への就学を希望する場合には、日本人児童生徒と同様に無償で受け入れられます。このため自治体には、外国人の子どもの就学状況を把握し、就学案内などを行うことが求められています。
過去の文部科学省調査では、不就学の可能性がある外国人の子どもも約8,600人存在するとされていました。家族滞在が増えるのであれば、「入国を許可した後の子どもの教育」まで含めた仕組みが必要になります。
家族滞在の配偶者は週28時間まで働くことができる
家族滞在は就労資格ではありません。しかし資格外活動許可を受ければ、原則として週28時間以内で働くことができます。
例えば、家族滞在の配偶者が、
・夫 技人国・特定技能2号など
・妻 家族滞在+資格外活動
・子 家族滞在
という形で日本に暮らしている家庭は珍しくありません。妻が週28時間以内でパートやアルバイトをして家計を支えることもできます。この収入について、今後の永住申請で非常に重要な問題が出てきます。
永住申請で「家族滞在の配偶者の収入を合算しない」方針案
2026年8月4日、出入国在留管理庁は「永住許可に関するガイドライン改定案」を公表し、パブリックコメントを開始しました。2026年8月24日現在、まだ確定した新ガイドラインではなく改定案です。意見募集は9月4日まで行われています。
この改定案の中に非常に重要な記載があります。永住の「独立の生計」に関する審査について、原則として同一生計世帯単位で審査するとした上で、申請者本人の年収と同一生計世帯を構成する家族の年収を合算して、「世帯年収」を判断するとしています。
ところが例外があります。同一世帯の家族が「家族滞在」など、就労を目的としない在留資格であり、資格外活動許可によって収入を得ている場合については、その収入を世帯年収に合算しないという考え方が明記されています。
2026年8月4日に公表された改定案では、 永住申請の「独立の生計」に関する審査について、 原則として同一生計世帯単位で審査する という考え方が示されています。
第2「許可要件に関する考え方」
4「独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること」
(1)考え方
改定案では、独立生計要件について 「原則として同一生計世帯単位で審査を行う」 ことが明記されています。
第2「許可要件に関する考え方」
4「独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること」
(2)収入
申請者の年収と、同一生計世帯を構成する者の年収を合算し、 世帯年収として判断する考え方が示されています。
同一世帯を構成する家族が「家族滞在」など、 就労を目的としない在留資格で在留し、 資格外活動許可によって収入を得ている場合については、 その収入を世帯年収に合算する対象とはしない という考え方が明記されています。
PDF 3ページの 「4 独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること」 →「(2)収入」を確認してください。
「家族滞在」に関する記載は、同ページ後半にあります。
なぜ家族滞在の収入を合算しないのか
改定案では、家族滞在などの在留資格は就労を目的とした在留資格ではなく、資格外活動によって「例外的・限定的」に収入を得ることができるにすぎないため、その収入を世帯年収に算入することは適当ではない、と説明されています。
制度論としての考え方は理解できます。家族滞在はあくまで扶養を受けることを前提とする在留資格だからです。しかし実際の生活を考えると、少し難しい問題が生じます。
「家計には入っているのに、永住審査の世帯収入には入らない」
例えば、
・夫:年収400万円
・妻:家族滞在、資格外活動で年収150万円
・子ども:2人
という4人家族がいたとします。
実際の世帯収入は、
400万円+150万円=550万円
です。
税金も支払い、日常生活では妻の150万円も当然家計を支えています。しかし改定案の考え方では、妻の収入が家族滞在の資格外活動による収入であれば、永住審査上の世帯年収には原則として合算しないことになります。
つまり、生活上の世帯収入は550万円でも、永住審査では400万円を基礎に判断される可能性があります。
一方で妻や子どもは、世帯人数としては当然存在します。分かりやすく言えば、生活する家族の人数は増えるのに、その家族が合法的に働いて得た収入は評価されないという構造になり得ます。
これは今後議論になる可能性があります。
しかも永住審査は「世帯人数」をより重視する方向
今回の改定案では、申請者の世帯年収について、世帯人数に応じた日本人世帯の平均収入を上回る水準を考慮するとしています。
さらに、申請者が扶養している親族については、外国に住んでいる親族も世帯人数に加える考え方が示されています。5人以上になる場合には、生活費等の増加分も考慮する仕組みが盛り込まれています。
すると、家族滞在の配偶者については、世帯人数には含まれるが、資格外活動収入は世帯年収に含まれないというケースが生まれます。このバランスが適切なのかは、今後慎重に議論する必要があると思います。
現在すでに確定している永住ルールとは区別が必要
ここは非常に重要です。現在の永住許可ガイドラインでは、「独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること」について、日常生活において公共の負担にならず、資産や技能等から将来にわたり安定した生活が見込まれることとされています。
現在公表されているガイドラインには、「家族滞在の資格外活動収入は一律に世帯収入として認めない」という具体的な文言はありません。今回紹介しているルールは、2026年8月4日に公表された改定案です。したがって、現在の申請と今後の申請を混同しないことが重要です。
永住ガイドライン改定案は「子どもの教育」にも踏み込んでいる
今回の永住許可ガイドライン改定案を読むと、非常に興味深いことが分かります。永住許可を判断する要素として、新たに、
☑日本語能力
☑日本の制度・ルール等への理解
☑学齢期の子どもの就学
が明確に盛り込まれています。
日本語能力については、原則としてB1相当以上を考慮要素とする考え方が示されています。さらに、申請者が学齢期の子どもを養育する親である場合には、子どもが小学校または中学校に通学していることを考慮要素とすることも明記されています。
ここは非常に重要な変化です。
改定案では、日本語能力について原則として B1相当レベル以上を考慮要素とする考え方が示されています。 ただし、高度人材外国人やその家族、日本の初等・中等教育を累計6年以上受けた者など、 一定の場合にはB1相当以上を本人に求める必要性・相当性がないとして、 考慮要素としない例外も示されています。
「外国人労働者政策」と「家族政策」はもう切り離せない
ここまで見てくると、
という一本の流れが見えてきます。
これまでは、「外国人労働者を何人受け入れるか」という入口の議論が中心でした。しかし今後は、その外国人が日本で結婚し、家族を呼び、子どもを育て、永住を目指すところまで考えた制度設計が必要です。
特に特定技能2号は、在留期間に上限がなく家族帯同も可能です。制度上は、長期間日本で生活することを前提とした外国人が今後大きく増える可能性があります。
外国人材の「受入れ人数」だけ決めても社会は回らない
外国人材政策では、「何万人受け入れる」という数字が注目されがちです。しかし本当に必要なのは、その先です。例えば特定技能2号外国人1人が来日したとしても、その後、配偶者1人と子どもが2人と日本に来るとなれば、日本社会で生活する外国人は4人になります。
もちろん全員が家族を帯同するわけではありません。しかし長期在留を認める制度を拡大するのであれば、家族帯同を前提とした人口動態も同時に考える必要があります。
その意味では、今後の外国人政策で必要なのは、「外国人労働者数」ではなく「その家族を含めて何人が日本社会で生活することになるのか」という視点ではないでしょうか。
今後必要になる4つの視点
1.特定技能2号の「家族数」まで把握する
現在の在留外国人統計だけでは、家族滞在外国人の扶養者がどの在留資格なのか十分に把握できません。特定技能2号政策を評価するのであれば、
・特定技能2号本人
・帯同配偶者
・帯同する子ども
・子どもの年齢
・居住地域
まで把握できる統計が必要だと思います。
2.子どもの日本語教育を受入れ政策とセットにする
日本語指導が必要な児童生徒はすでに8万人を超えています。
外国人家族の受入れを増やすのであれば、日本語教師、支援員、母語支援員、初期日本語教育などの体制整備も同時に進める必要があります。
3.特定技能2号家族への生活支援を考える
特定技能2号では1号のような義務的支援制度はありません。しかし、家族帯同が始まればむしろ生活上の支援ニーズは大きくなります。
企業だけでなく、自治体、学校、行政、地域団体などを含めた支援体制が必要になります。
4.合法的に働いている家族の収入をどう評価するか
家族滞在の配偶者が資格外活動許可の範囲内で適法に働き、税金や社会保険料を負担しながら家計を支えているケースは少なくありません。その収入を永住審査上どのように評価するのか。
在留資格の制度論だけで判断するのか、それとも実際の家計への貢献や継続性も評価するのか。ここは今回の永住ガイドライン改定案における重要な論点の一つです。
現在の在留外国人統計だけでは、家族滞在外国人の扶養者が どの在留資格なのか十分に把握できません。 特定技能2号政策を評価するのであれば、本人だけではなく、 帯同する家族まで把握できる統計が必要です。
・帯同配偶者
・帯同する子ども
・子どもの年齢
・居住地域
日本語指導が必要な児童生徒はすでに8万人を超えています。 外国人家族の受入れを増やすのであれば、 日本語教師、支援員、母語支援員、初期日本語教育 などの体制整備も同時に進める必要があります。
特定技能2号では、1号のような義務的支援制度はありません。 しかし、家族帯同が始まれば、むしろ生活上の支援ニーズは広がります。 企業だけでなく、 自治体・学校・行政・地域団体 などを含めた支援体制を考える必要があります。
家族滞在の配偶者が資格外活動許可の範囲内で適法に働き、 税金や社会保険料を負担しながら家計を支えているケースもあります。 その収入を永住審査上どのように評価するのかは重要な論点です。
それとも、実際の家計への貢献や収入の継続性まで評価するのか。
まとめ
日本に在留する「家族滞在」は、2025年末には35万2,875人となりました。5年前の約19万7,000人から、約1.8倍です。今後、特定技能2号外国人が増えていけば、配偶者や子どもの帯同も増えていく可能性があります。そこで重要になるのが、「外国人本人を働き手として受け入れる制度」から「外国人とその家族を日本社会の生活者として受け入れる制度」への転換です。
特定技能2号では家族帯同が認められます。その子どもたちは日本の学校に通います。配偶者は資格外活動許可を得て働くことがあります。そして長期的には永住を希望する家庭も増えていくでしょう。
一方、日本語指導が必要な児童生徒はすでに8万4,759人まで増え、約11%は特別な配慮に基づく指導を受けられていません。
さらに2026年8月に公表された永住許可ガイドライン改定案では、家族滞在の資格外活動による収入を世帯年収に合算しないという考え方が示されました。
外国人材の受入れを議論するとき、「日本に何人働きに来るのか」だけを見る時代ではなくなっています。その人が誰と暮らし、子どもがどこで学び、家族がどのように働き、最終的に日本社会にどのように定着していくのか。
そこまで含めて考えることが、これからの外国人政策には必要ではないでしょうか。
出入国在留管理庁申請取次行政書士
稲福 正直
















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