こんにちは、行政書士の稲福です。
この記事では、技能実習を『良好』に修了するための要件について解説していきたいと思います。
技能実習2号から特定技能1号へのステップアップを考えている技能実習生にとって、技能実習2号を修了することが必要となりますが、たただ単に「技能実習を修了した」だけでは特定技能へは移行できず、「良好に修了した」と認められる必要があります。
それでは、良好な修了の具体的な条件や、特定技能1号へのスムーズな移行のためのポイントを詳しく解説していきます。
技能実習2号から特定技能1号への移行の要件について

『技能実習』から『特定技能』へ移行できる要件は以下の2点となります。
☑技能実習2号を良好に修了していること
☑技能実習の職種・作業内容と、特定技能1号の業務に関連性があること
これらの要件を満たしたうえで技能実習生本人が希望することにより、技能実習修了後にビザ(在留資格)の変更を申請し、『特定技能1号』の在留資格を得て就労することができます。
技能実習の2号を「良好に修了」したとされる技能実習生は、特定技能評価試験と日本語能力試験を免除され、技能実習から特定技能へのビザ(在留資格)変更を行うための要件のひとつを満たすことになります。
特定技能評価試験については、別の記事でも紹介しておりますので、よろしければ参考にして下さい。
なお、特定技能へ移行するためには、技能実習1号を修了後に技能実習2号へ移行し、かつ技能実習1号時から起算して技能実習2号を含めた期間がトータルで2年10か月以上である必要があります。
技能実習おいては、入国から1年目は『技能を修得』するレベルとして1号に分類され、2〜3年目は『技能を習熟』する段階として2号に分類されます(2号へは学科・実技試験に合格しなければ移行することができません)。
そして、入国から4〜5年目は『技能を熟達』するとされるレベルで、3号に分類されます(3号へは、実技試験に合格しなければ進めません。加えて、3号の実習が行えるのは、優良認定を受けた企業のみとなります)。
なお、『技能実習3号』の実習中は特定技能への移行は原則として認められず、技能実習3号から特定技能へ移行するには、技能実習2号を良好に修了した場合でも技能実習3号の実習を修了している必要がありますが、技能実習3号を途中で中止して(外国人技能実習機構に「技能実習実施困難時届出書」と「意思確認書」を提出する)、その後で特定技能1号への変更申請すれば移行が認められることになります(「申請」ではなく「届出」なので、審査などは無く上記書類を提出した時点で手続きは完了となります)。
なお、2つめの要件である『技能実習の職種・作業内容と、特定技能1号の業務に関連性があること』については別の記事でも解説しておりますので、よろしければ参考にしてください。
技能実習を良好に修了するための要件

『技能実習2号を良好に修了している』状態とは下記2点のいずれをも満たす必要があります。
☑技能実習を2年10か月以上修了していること
➡その間法令違反がなく、実習計画を適切に履行したと認められること。
☑技能検定随時3級若しくはこれに相当する技能実習評価試験(専門級)の実技試験に合格していること
➡または受かっていなくとも、受入企業が外国人の実習中の勤務・生活態度を記載した評価に関する書面により、技能実習2号を良好に修了したと認められること。
技能実習を2年10か月以上修了していること
特定技能へ移行するためには、技能実習1号を修了後に技能実習2号へ移行し、かつ技能実習1号時から起算して技能実習2号を含めた期間がトータルで2年10か月以上である必要があります(その他、失踪や重大な法令違反がないなど、実習計画を適切に履行したと認められることことが要件になります)。
なお、技能実習おいては、入国から1年目は『技能を修得』するレベルとして1号に分類され、2〜3年目は『技能を習熟』する段階として2号に分類されます(2号へは学科・実技試験に合格しなければ移行することができません)。
そして、入国から4〜5年目は『技能を熟達』するとされるレベルで、3号に分類されます(3号へは、実技試験に合格しなければ進めません。加えて、3号の実習が行えるのは、優良認定を受けた企業のみとなります)。
なお、『技能実習3号』の実習中は特定技能への移行は原則として認められず、技能実習3号から特定技能へ移行するには、技能実習2号を良好に修了した場合でも技能実習3号の実習を修了している必要がありますが、技能実習3号を途中で中止して(外国人技能実習機構に「技能実習実施困難時届出書」と「意思確認書」を提出する)、その後で特定技能1号への変更申請すれば移行が認めらることになります(「申請」ではなく「届出」なので、審査などは無く上記書類を提出した時点で手続きは完了となります)。
技能試験に合格していること
技能実習2号修了者で特定技能1号へ移行希望する場合は、は以下のいずれかの試験に合格している必要があります。
☑技能検定「随時3級」
☑技能実習評価試験「専門級」
「技能実習を良好に修了」とは、ただ技能実習の期間を満了しただけでなく、実習内容をまじめにこなし、かつ、これらのいずれかの技能試験に合格していることが必要となります。
もともと、技能実習が始まる前から『技能試験』というものはありましたが、技能実習生制度が開始されてから、その技能試験が『技能検定』バージョンアップされ、この技能検定に合格した技能実習生を技能実習の上位区分への移行条件にしました(技能実習1号⇒技能実習2号⇒技能実習3号)。
その後、制度の目的・対象者・制度設計の変化によって段階的に整理されてきましたが、技能検定だけでは技能実習の全ての分野をカバーできない為、技能検定でカバーできない分野は独自の試験科目を作りましょうということになり、『技能実習評価試験』が誕生したという経緯があります。
それでは、技能検定と技能評価試験について、それぞれ解説していきます。
技能検定について
日本の外国人技能実習制度は、我が国の技能や知識を開発途上地域に移転し、その人材育成を支援することを目的としており、技能実習生は企業での実習を通じて技術を習得し、帰国後に母国の発展に寄与する人材育成に繋げる狙いがあります。
そして、この実習成果を客観的に評価するために実施されるのが技能検定試験(技能実習向け)です。
なお、技能実習向けの技能検定も、日本人向けの技能検定も、職業能力開発促進法に基づく国家試験で(ただし技能実習向けの技能検定は外国人専用の特例試験という扱い)技能実習生が修得した技能や知識の習熟度を測定します。
技能検定は、厚生労働省指定機関(都道府県など)が実施し、技能検定に合格すれば、国家資格として技能の習得を公式に証明でき、技能実習生にとってキャリア形成上も重要なステップアップとなります。
この技能検定試験ですが、等級区分というものがあり、技能実習生向けには基礎級・随時3級・随時2級の3区分が設けられおります。
そして、特定技能1号へ移行するために合格する必要がある『技能検定試験 随時3級』の水準は、初級の技能労働者が通常有すべき技能及びこれに関する知識の程度とされ、日本人が受検する最初のステップの『技能検定3級』と同等の試験に当たります。
仮に日本人が以下のようなレベルの技能評価試験を受ける場合…
☑技能実習生の随時3級:→ 日本人の「3級技能検定」相当
☑技能実習生の随時2級:→ 日本人の「2級技能検定」相当
☑技能実習生の基礎級:→ 日本人向けの評価制度では原則存在しない(入門レベル)
※随時等級(随時3級・随時2級)は外国人技能実習生専用で、日本人は「通常の技能検定(3級・2級・1級)」を受験
技能検定は、技能実習生が実習年限ごとに受検する仕組みですが、例えば、特定技能1号への移行を希望しない実習生にとっては、随時3級に不合格でも実習自体の修了は可能です(技能実習1号の場合は基礎級を合格しないと修了自体できない)
※「随時」とは全国一斉ではなく必要な時期に随時実施する方式を意味します。
技能実習評価試験について
技能実習評価試験も技能実習生が日本で学んだ技能を客観的に評価するための試験ですが、性質、目的、対象者において技能検定とは異なります。
まず、両試験の性質および目的における違いですが、技能検定が、各都道府県が実施している職業能力開発促進法に基づく国家試験で、労働者(日本人・外国人問わず)の「職業技能の証明」が目的であるのに対し、技能実習評価試験は、分野ごとの業界団体が実施している技能実習生の進級・修了を判定するための「内部評価」が目的で、技能実習生が技能実習で習得した技能を評価し、段階移行や修了のために実施する試験になります。
わかりやすく言うと、技能実習評価試験は、特定技能1号への移行を希望している技能実習生を対象とした試験(特定技能1号への移行要件確認)で、特定技能制度専用の試験という位置づけになります。
また、技能実習評価試験は、厚生労働省が定めた職種ごとの指定試験実施機関(各職種ごとに国から認可された専門の試験実施団体)が実施し、職種によって試験を行う団体が違うのが大きな特徴です。
例えば、建設分野ですと、実施団体はJAC(建設技能人材機構)になり、とび、左官、型枠、大工、配管、鉄筋、内装、電気通信など全18職種の試験を実施しております。
そして、「専門級」に合格すると、技能実習2号「良好な修了」と認定され、特定技能1号移行要件を満たすことになります。
JACについては、別の記事でも解説しておりますので、よろしければ参考にして下さい。
技能検定・技能実習評価試験の等級区分について
前述した内容をわかりやすくまとめたのが、以下の表になります。
| 技能検定 | 技能実習評価試験 | 試験の程度 | 合格する目的 |
| 随時2級 | 上級 | 中級の技能労働者が通常有すべき技能及びこれに関する知識の程度。 | 3号実習中に取得を目指すもので、取ることで能力を証明できるが、具体的なメリットはない。 |
| 随時3級 | 専門級 | 初級の技能労働者が通常有すべき技能及びこれに関する知識の程度。 | 技能実習2号から技能実習3号への移行または特定技能1号への移行(合格していない場合は実習実施機関及び管理団体が作成した評価調書を提出することで在留資格申請が可能)。 |
| 基礎級 | 初級 | 基本的な業務を遂行するために必要な基礎的な技能及びこれに関する知識の程度。 | 技能実習1号から2号へ移行する為に必要(1号中に取得しなければ2号への移行が出来ない)。 |
なお、両者とも、技能実習3号修了時点の技能水準を証明する試験で、実力的には、ほぼ同レベル(技能検定3級相当)とされておりますが、実際のところは、技能検定が実技・学科ともに高水準で合格すると国家資格が付与されるのに対し、技能実習評価試験は、職種の現場実務に即した内容でやや易しいとされており、 合格しても資格ではなく進級・修了の判断材料にすぎないという違いがあります。
これまでのところ、技能実習生は、制度や用途に応じていずれかのの試験選んでいるというのが現状です。
評価調書について
評価調書は、技能実習生が技能実習を修了したあと「良好に修了」したかどうかを証明するために重要な書類で、実習実施者(=実習生を受け入れている企業)が実習生の仕事ぶりを評価してまとめる公式書類となっており、受入れ企業が作成後に監理団体へ提出、監理団体が内容をチェックし、最後に『 OTIT(外国人技能実習機構)』へ提出するいう流れになります。
なお、技能実習生が特定技能1号へ移行するためには、技能検定随時3級または技能実習評価試験(専門級)の実技試験に合格することが原則ですが、もしに不合格の場合であっても、この『評価調書』があれば特定技能に移行が可能です。
つまり、『技能検定随時3級』や『技能実習評価試験』の実技試験に不合格であった場合でも、『評価調書』の記載から勤務状況などが良好であった場合には、良好に技能実習を修了したものとされます。

まとめ
最後までご覧いただきありがとうございました。
この記事では、技能実習を良好に修了するための要点をまとめて解説しました。
技能実習を良好に修了とは、ただ期間を終えるだけではなく、技能面と行動面の両方でしっかり評価されることが必要です。
そのためには、技能検定(随時2級や3級)への合格、または技能実習評価試験(専門級など)の合格が必要な他、実習中の態度や出勤状況が安定していることなどがが求められます。
技能実習生が特定技能1号へのスムーズな移行ができるよう、受入れ企業側も万全なサポートを築いておくようにしましょう。
さいごに
アソシエイツ稲福国際行政書士事務所では、建設業者様が特定技能外国人を雇用するために必要な申請業務をサポートしております。
また、建設業許可申請もオンライン(JCIP)にて全国対応しております(大阪・兵庫・福岡を除く)。
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